地方が日本の未来を創る3

「2025年になれば、団塊の世代が後期高齢者になる」

ずっと前から、そう言われていました。

だから国は言いました。

「将来の負担が増える。だから今、財政を健全化しないと」

そして、支出の削減が始まりました。

商店街はシャッターが下り、

学校は統廃合され、

病院は消え、バスや電車も減っていきました。

地方にある“当たり前の暮らし”が、次々と切り捨てられていきました。

でも、あれは──

「財政を健全化する」ことが、本当に正しかったのか?

振り返れば、私たちは

2つの道のどちらかを選ぶ分岐点に立っていたのかもしれません。

ひとつは、

「将来負担が増えるから、今から削減して耐える」道。

もうひとつは、

「将来負担が増えるからこそ、今から投資して、

強い経済と強い地方で支える」道。

私たちは、どちらの道を選んだのだろう。

そして今、その結果はどうなっているのだろう──。

かつて“経済大国”と呼ばれた日本。

いまや東南アジアの国々が、次々と私たちを追い越していく。

その姿を見ていると、あのとき私たちが選んだ道は、

本当に正しかったのかと、考えさせられます。