諏訪湖


子どもの頃、私は諏訪湖でたくさん遊んだ。

諏訪湖は藍藻に覆われ、決してきれいな湖ではなかった。

でも、そこには確かに命の気配があった。

エビも、トンコも、モロコもいた。

タニシが這い、小魚が泳ぎ、

友達と汚れながら釣りをし、エビを捕り、

湖と一緒に遊んでいた。

今──

透明度が上がった諏訪湖を、私は眺める。

湖底まで見える。

けれど、そこには生命感がない。

水質は改善したのかもしれない。

でも、命の力強さが、

遊ぶ子どもたちの姿が、

静かに消えてしまった。

今日、久しぶりに──

諏訪湖で遊ぶ子どもを見かけた。

その光景に、私は思った。

もう一度、諏訪湖を生き返らせたい。

きれいなだけでなく

生きている湖を。

私は、小さな実験から始めようかと思う。

今まで心に引っかかっていた違和感に、

一つ一つ、答えを出していきたい。

湖底のヘドロに太陽が当たるとどうなるのか。

石に生えた藻を、エビやタニシは食べられるのか。

洗った石に、新しい命は宿るのか。

あるいは──

砂浜を復活させることから、始めようか。

誰もやったことがないかもしれない。

でも、確かめたい。

自分の目で見て、自分の心で感じて、答えを出したい。

そして、もしわずかでも希望が見えたなら、

それを未来へと繋げたい。

忙しい。

でも──やってみたい。

いま、悩みながら、考え中